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 前回、#7を開催したのが2025年の4月。工事中の自坊(うちのお寺)の仮本堂に、タブラ奏者のU-zhaanさんとサントゥール奏者の新井孝弘さんをお招きした。本来は門徒会館である仮本堂で、正藍染作家の平田仁美さんが舞台美術をご担当くださった、特別な一夜。

 今回「なんもない夜座 #8 岩下小太郎 / codama」を開催することになったご縁の一つに、会場となる「天水福祉事業会」、國友夫妻との出遇いがある。國友哲太郎さん、理恵さんが2024年11月に「大牟田ふじ」で出張開催した#6、前述の#7 にそれぞれお運びくださり、お声がけをくださった。
 國友夫妻とお話をするなかで考えた。「天水福祉事業会」での開催を実現できるなら、音のワークショップもあわせてやってみてはどうか。「つなぐ」という理念のもと、「ゆりかごから天国まで」を経営方針に、児童・障害・高齢福祉施設が同居する場所。ざっくりと、縦軸にデモグラ的な項目を、横軸に表現の主客を置いて、その全体を繋いでみようとする試み。

 そんななか、4~5年前から熊本県南関町で活動されている琵琶語りの岩下小太郎さんが、地域おこし協力隊の任を終え、故郷の阿蘇に帰るかもしれない、とお聞きしたのが昨年の暮れのこと。歴史的には、目の見えない男性の生業としての芸であった肥後琵琶を、現代において奏でてくれる小太郎さんの存在はとても貴重で、かつ、ここ何年かの間に随分変化したその演奏に心を惹かれ、#8の企画は始まった。

 時を同じくして、明行寺の坊守でもあるcodamaが、小太郎さんにゆるやかに弟子入りした。ピアノの弾き語りを中心としたソロ演奏のほか、「遇々(たまたま)」での御念佛ライブや、遠距離ユニット「ブランコノリ」での楽曲制作など、さまざまな音楽表現を行うなか、琵琶語りの世界に触れながら、川を流れて下る小石のごとく音に変化があらわれている。

 そんな二人には、密かに音楽以外の表現がある。小太郎さんは幼少期から書道に親しみ、最近は紙の上で文字の枠からはみ出す作品を、codamaは水槽や棺を用いたインスタレーション作品や、絵画的、彫刻的な作品を、それぞれさほど人知れず制作している。どこまで実現可能か現段階ではっきりしたことは言えないが、特別な場所での出張開催となる今回、二人のこういった表現にも触れることのできる場にしたいと思う。

 実は、ここ何回かの「なんもない夜座」は、協賛を募って実現している。案内も遅く、見返りらしい見返りはないなか、力を貸してくださる方一人ひとりのおかげさまで現在、#8。応援してくださる方がご一緒なのだと思えることが、1回、1回を支えてくれる。

 「なんもない夜座」を開催することに、何の意味があるのか。主催がお寺なのだから、勤行・法話といった、宗教界でいうところの「布教」という目的があることを、いわゆる誤解をおそれず明記する。
 では、演奏を中心とした表現は、客寄せパンダなのか。そんなわけはない。というか、そんな理由では頑張れない。今、目の前で繰り広げられる表現を目の当たりにすることは、人が生きるうえで特別な意味を持っていると思う。誰かの命が、その軀、その思考、その精神、その全体が渾然一体となって燃えている現場に遭遇することがライブだ。そしてそれは、結果的にその場にいるお互いを、論理を超えて干渉仕合わせる。その意味を、言語化してコントロールできるできるとは、個人的には思わない。言えるのはただ、そんないとなみが太古の昔から続いているのが、人間という自然だということ。このことが、私という命と、表現と、宗教と、世界全体を繋いでいるように思う。

 どんな風になるのか、まだわからない#8。ご一緒くだされば幸いです。                              

称名

2025年8月

明行寺

¥   3,000 …

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​チケットが1枚つきます(予約 ¥2,000)

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※ 2025年9月13日(土)まで受付

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